騒音下でも聞きたい音を逃さない「リサウンド・ネクシア」

補聴器ユーザーにとっての一番の悩みとは何か?デンマーク発祥の補聴器会社GNヒアリングは、その答えを「騒音下での聞き取り」だと考えました。JapanTrak 2022アンケート※1によると、「騒音下での会話の聞き取り」に苦労していると回答した補聴器ユーザーは86%。実に多くの人が悩んでいることが、明らかになったのです。

そうした中、今年の1月に同社は一台の補聴器、「リサウンド・ネクシア」を発表し、5月に追加器種を発表いたしました。「リサウンド・ネクシア」は、騒音下でのきこえと音質の良さにこだわった補聴器で、アンケート※2ではなんと89%の難聴者が騒音下での聞き取りに際して、同機を推奨したといいます。

そこで今回のブログでは、この「リサウンド・ネクシア」を特集。しかもGNヒアリングジャパン株式会社のマーティン・アームストロング社長(以下、アームストロング社長)に、直接その魅力と強みを語っていただくべく、私、福澤が横浜・みなとみらいの本社まで訪問しました。

騒音下で聞きたい声・音を聞くために、どのようなテクノロジーがつめ込まれた製品となっているのか、対談形式で余すところなくお伝えして参ります。

人混みの雑音に悩む、これからの季節にオススメの補聴器

福澤:初夏の風が吹き渡るこの季節は、行楽日和であるとともに、補聴器ユーザーを悩ませる雑音や騒音の季節でもありますよね。みなとみらいなどはまさにそうですが、せっかくの連休だからと観光地へ出かけても、現地では人と人、声と声とが入り乱れます。人と同じように行楽を楽しみたいのに、雑音にまみれるせいで外出を躊躇ってしまう。騒音下で頑張って聞こうとするせいで、疲れてしまう。このような補聴器ユーザーはとても多いように感じます。

アームストロング社長:はい、アンケート※1では、86%の方が騒音下での聞き取りに悩んでいると分かりましたが、過去のリサーチでも同種の悩みを持つ人が多いことは判明していました。そうした中、技術的な課題を克服して真に騒音下でのきこえに優れるようになったのが「リサウンド・ネクシア」なのです。

福澤:同機には優れた特徴が数多くありますが、その中でも騒音下でのきこえに関しては特に優れている印象です。

アームストロング社長:そうですね、そのほかの長所についても追ってご説明したいと思いますが、一番の魅力はやはり騒音下に強い点だと思います。先日、256名を対象に「リサウンド・ネクシア」を体験してもらいアンケートをとった際も、「Auracast™ブローキャストオーディオ搭載」や「業界最小RIE補聴器」といったほかの長所もある中で「騒音下での会話の聞き取り」が一番ユーザーに響いた結果となりました。

福澤:この性能の秘訣はどこにあるのでしょうか。

アームストロング社長:性能の秘訣はプロセッサーの改良、それも全周囲360°の音の聞き取り性能を向上させた点にあります。「リサウンド・ネクシア」にはマルチバンド指向性処理という、音の自然さを支える音声処理機能があります。これは周辺の音を騒音と音声に判別し、最適なきこえで耳に届けてくれる機能です。

周辺の低域の音ならば無指向性を維持することで自然なきこえを維持し、正面からの中音域の声に対してはビームフォーミングという技術を用いて、会話をしっかりと捉えてくれます。

福澤:環境認識の処理を高速化することによって、音域や方向ごとにベストな処理をしてくれるというわけですね。

雑音抑制と音質の改良を両立

アームストロング社長:今回、我々はより正確な指向性を保つために、雑音源が前方75°の範囲外にあった場合には、指向性を発揮して雑音を低減させるように製品を設計しました。もちろん、全くの無音であると別な問題が発生しますが、本製品は聞きたい音を邪魔しない程度に低減。そのおかげで、横からのノイズや後方での音声に惑わされることなく、聞きたい音を聞き取れるようになったというわけです。2022年に行ったアンケートでは、同じ機能を搭載した製品の「騒音下での聞き取り」が、従来品と比べて150%改善したという報告※3も受けています。

福澤:観光地や騒がしい飲食店の中、電車の走行音が鳴り響く駅のホームに車両内など、色々なシーンで活躍してくれるのが目に浮かびます。

アームストロング社長:そうですね。騒音下での聞き取りには、聞きたい音以外を低減させる性能も重要なので、騒がしい場所に行ったとき、今までよりも静かで疲れにくいと感じてもらえるのではないでしょうか。

福澤:あとはプロセッサーの性能の高さによって、聞こえてくる音質も滑らかになっているように感じます。音がいい、つまりは聞き取りやすさにおいても、健常者の自然な聞こえに近づいていると思いました。

アームストロング社長:ありがとうございます。聞き取りにおける疲労感をはじめ、私たちは補聴器の性能向上によって、人生を取り戻していただきたいと考えています。もっと言えば、補聴器を通して今までよりも豊かな人生を手にしていただけたら本当に嬉しい。

同時多接続を可能にした新型Bluetooth®、Auracast™

福澤:今までよりも豊かに、ということであれば「リサウンド・ネクシア」のもう一つの目玉、最新のBluetooth®規格「Auracast™ブロードキャスト オーディオ(以下、Auracast™)」などはその一例ですよね。

アームストロング社長:はい、Auracast™はこれまで一対一接続しかできなかったBluetooth®接続と異なり、LE Audioを搭載したAuracast™対応デバイスとの複数同時接続を可能にした新機能で、「リサウンド・ネクシア」は世界初の対応補聴器となっています。テレビやスマートフォンといった個人機器は勿論、映画館や交通機関、空港などの公共機関にも対応設備が備わっていれば、あらゆる場所で利用可能です。

福澤:テレビの音声や交通機関のスピーカー音声など、流れてくる音声を直に聞くのと接続して聞くのとでは大きくきこえが異なります。音質という点で、この機能の存在はとても大きいと思いましたね。

アームストロング社長:それに加えて、Auracast™の接続を可能にするBluetooth®  LE Audioは従来の製品に比べてバッテリー消費が少なくなっています。ビジネスマンの方で、オンライン会議などを頻繁に行う方には非常に便利な製品といえますね。

業界最小のマイクロRIE 充電式補聴器

福澤:Auracast™を抜きにしても「リサウンド・ネクシア」は充電性能に非常に優れています。確か、業界最小のマイクロRIE 充電式補聴器なんですよね。

アームストロング社長:音質周りのことを熱弁し過ぎて、他の長所への言及が後回しになっていました(笑)。おっしゃる通り、「リサウンド・ネクシア」はマイクロRIE 充電式補聴器としては、現時点で業界最小の製品となっています。もちろん、小さいからといって充電性能を犠牲にするということはなく、3時間の充電で24時間の稼働が可能となっています。大切な会議や外出先で、突然電池が切れてしまうという心配をせずに過ごしていただけます。

福澤:長時間でも使いやすいということですね。業界最小を目指したのもそういった使い心地、着け心地のためでしょうか。

アームストロング社長:そうですね、やはり身つけるものなのでデザインは非常に大切です。その中でも私たちは、ただ見た目を良くするのではなく、人間工学に基づく合理的なデザイン性を求めています。もちろん、ユーザーによってそれぞれ耳の形は異なりますが、ネクシアは綿密なリサーチの上、できるだけ耳に触れる面積を減らしました。そのうえで、耳に触れている一点によってしっかりと固定できるようなデザインとすることで、外耳に掛かる負担を軽減。ずっと使っていたくなる補聴器へと進化させました。

福澤:なるほど。製品を通して人生を取り戻してほしいという、先程の言葉にさらに実感がわいてきます。ちなみに、ずっと使うとなると、汗による浸水も気になりますが、防水性能の方はいかがでしょうか。

アームストロング社長:勿論そちらについてもご心配いりません。汗・湿気に強いナノテックコーティングを施してあり、国際保護等級IP68を取得。うっかり水に落としてしまったとしても問題ないレベルの耐水性能を兼ね備えています。これから暑くなってくる中でも、安心してお使いいただけるようになっています。

優れたAIと人の手による微調整が快適の鍵

福澤:そういう事故やミスも助けてくれるのはありがたいです。「リサウンド・ネクシア」もそうですが、やはりAIやプロセッサーなど、補聴器自体がどれだけ進化しても、最終的な使い勝手を決めるのは結局人間ですからね。水没や充電忘れといったミスは勿論、補聴器本来の性能であるきこえを最大限発揮するのにも、繊細な人の調整というのは欠かせません。

アームストロング社長:良いことを言ってくださいました。やはり技術をどれだけ詰め込んでも、実際にユーザーが使うときに不便に感じるようでは、真に使い勝手のいい補聴器とは言えません。なので、できるだけシンプルな操作性を実現するというのも私たちの使命です。例えば、接続したスマートフォンで通話に出る場合、「リサウンド・ネクシア」は本体を2回タップすることで応答が可能となっています。スマートフォン用アプリによる直感的な操作や相談もできるようになっており、極力お客様に便利な補聴器生活を届けようとしています。

ただ、実際に最適な使い方を知ってもらうには、それ以前に最適な補聴器と出会ってもらうためには、私たちメーカーの力だけでは及ばない部分があります。

「リサウンド・ネクシア」はその音質の良さや騒音下でのきこえという課題を克服してきた補聴器であるため、初めての方は勿論、もっと自分に合った補聴器を求めている方にも気に入ってもらえる自信があります。だからこそ、良い補聴器と出会い、使い方を教えてくださる方の存在が欠かせません。

福澤:つまり、そこから先は私たち補聴器販売店の使命ですね。

補聴器一つで、人生は取り戻せる

アームストロング社長:そうなんです。やはり補聴器を選ぶときに大切なのはきちんとフィッティングできるお店で買うことです。実際に使って、本当にいいものだと実感してもらえた方が購入時にも納得がいきます。

福澤:補聴器は金額的にも、QOL(生活の質)的にも大きな買い物ですからね。

アームストロング社長:私の母も補聴器を変えたことで、人生が変わった。今まで人が話している時にも疎外感を感じて辛かったが、補聴器を変えてからは話にスッと入れてそういった寂しい思いをしなくなったと言っています。どうか読者の皆さんにも「リサウンド・ネクシア」を始め、良い補聴器と出会って、自分の人生を取り戻していただきたいです。

※1:JapanTrak, 2022
※2:Ratings from 1599 real users through the Resound Smart 3D app
※3:4.36 dB SNR improvement compared to legacy products. Jespersen & Groth (2022)